2011年6月21日火曜日

日本工学アカデミー 「人類未来戦略」講演会のお知らせ

社団法人 日本工学アカデミー 第168会談話サロン 「人類未来戦略」講演会


この度、もったいない学会が協賛をし、以下のシンポジウムを開催することになりました。

テーマは、「石油文明が終わる日本はどう備える:3.11以降の日本を考える」です。


3.11以降、日本でもエネルギー問題に関する人びとの意識が急速に高まってきたように感じられます。メディアでも多くの報道がなされています。むしろ、情報が多すぎて、何が「ホント」のところなのか、判断が難しくなっているほどです。


そんな中、「エネルギー問題の本質」をもう一度見つめ直し、3.11後の日本の姿を構想していこうというのが、本シンポジウムです。


参加費は、「無料」です。


また、参加資格は、「もったいない学会会員」のみなさまと、「会員から紹介を受けた人」も無料で参加できます。


当日、会場でお目にかかれることを楽しみにいたしております。

*シンポジウム参加には、「事前登録」が必要です。以下のフォームから、参加登録を

お願いいたします。(2011年7月10日までにお申し込み下さい)


http://www.mottainaisociety.org/low_e/low_e/110717-form.html

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社団法人 日本工学アカデミー 第168会談話サロン

「人類未来戦略」講演会


テーマ:石油文明が終わる日本はどう備える:3.11以降の日本を考える

日時:2011年7月17日(日曜日) 13:30~16:50

場所:学士会館 202号室

   東京都千代田区神田錦町3-28

   (都営三田線・新宿線、東京メトロ半蔵門線「神保町」駅下車 A9出口1分

    または東京メトロ東西線「竹橋」駅下車 3a出口5分)

参加費:無料

主催:社団法人 日本工学アカデミー

協賛:NPO法人 もったいない学会


<プログラム詳細>

背景:2011年3月11日の地震・津波は我々に原発が脆弱であることを教えた。今後は原発に大きな期待はできないであろう。一方IEA(国際エネルギー機関)は、2010年11月、在来型石油の生産ピークは2006年であったことを公表した。在来型石油以外のエネルギー開発はEPR低下、環境破壊などの大きな課題がある。原発、石油に頼ることができないとするならば「低エネルギー社会」の到来は不可避であり、この点に関して議論を深めておく必要がある。


話題提供: (13:30-14:50)

1)低エネルギー社会における日本のプランB

石井吉徳氏 人類未来戦略フォーラム代表、もったいない学会会長

  いまの世界的な経済不況の深層に石油ピークがある。それは、人は自然の恵みで生かされているからである。地球は有限、資源は質が全てと理解すると未来が見えてくる。新聞、テレビは経済浮揚策、温暖化一辺倒のようだが、それも「石油ピーク」を理解する必要がある。エネルギー無しには何も動かせず、何も作れないからである。もう欧米の権威を単純受容しない、自分で考える、それが国際力学で強かに生きることに繋がる。「もったいない」と思う、豊かな心、人の絆を大切にする多様な地域社会を目指す、科学合理性とリアリズムを基に、21世紀の理念を育てたい。エジプト革命は多くを教えている、何をそれから学ぶか、私見をのべる。


2)世界の炭化水素資源の現状と課題

鈴木勝王氏 石油資源開発株式会社副社長

  世界の石油生産はピークを迎えた。米国と世界の石油生産量の実測と予測と、石油埋蔵量に関する専門家の悲観論・楽観論を紹介する。また世界の原油のエネルギー収支比(EPR)は1930年代以降低下していること、低品位の資源のEPRは低いことを議論する。さらに太陽光や風力などの再生可能エネルギーのEPRについても議論する。


休憩: (14:50-15:05)


パネル討論: (15:05-16:45)

1)中東UAEの成長戦略 (10分)

小寺保彦氏 JX日鉱日石開発株式会社探鉱部グループマネジャー

  中東UAEは、石油が生み出す富で、当面豊かな生活を送れるが、そうした中、敢えて「石油に頼らない」国の将来像を、国のトップが思い描き、その実現に向けての戦略を明確に打ち出している。本講演では、UAEの2つの首長国アブダビとドバイを取り上げ、その異なる成長戦略と将来像実現に向けての取り組みを紹介する。


2)エネルギー収支的視点で見る人間社会 (10分)

松島潤氏 東京大学大学院工学系研究科准教授、もったいない学会理事

  科学的なアプローチに基づいて、エネルギー問題における私達の立ち位置を明確にし、将来を見通す方法論について紹介したい。生物はエネルギー収支の制約の元で、進化あるいは絶命を遂げてきたという見方がなされ、この考え方を人間社会に適用する試みが生態学分野で提唱されている。エネルギー収支的視点から見た日本社会の現状と将来について分析した結果について紹介する。


3)エネルギー問題とイノベーション (10分)

松見芳男氏 伊藤忠先端技術戦略研究所長

  グローバル化するイノベーションの動きの中で、産業におけるベンチャーの役割が増大。エネルギー分野も例外ではない。


4)石油ピーク後の都市論   (10分)

山本達也氏 名古屋商科大学コミュニケーション学部准教授、もったいない学会理事

  石油ピークを迎え、世界が石油減耗期に突入することになると、これまで国際社会の「主役」を務めてきた近代国民国家は、大きな困難に直面することになるだろう。「国家」が相対的にその地位を落とす中で、注目されるのが「都市」である。なぜ、今、都市なのか。その理由と、石油ピーク後の都市のあり方について新しい価値観を持ちつつ興隆してきた社会階層(クリエイティブ・クラス)に注目しながら論じていく。


5)大きな時間のモノづくり (10分)

今泉真緒氏 日本科学未来館 展示企画

 石油ピーク後の社会では、地球規模の「大きな時間」をもってモノづくりをとらえていくことが必要だろう。大量生産型消費社会における「より速く・多く」という生産活動が、新しい仕組みへと移行する中、科学者からデザイナー、廃棄物処理事業者まで、異分野の専門家間の対話が活性化している。科学とデザインをつなぐ立場から、両者の役割と、これからのモノづくりにおける可能性を考える。


6)オイルピーク後の低エネルギー社会対応戦略試案(10分)

旭岡勝義氏 (株)社会インフラ研究センター代表取締役、日本工学アカデミー理事、

もったいない学会理事

オイルピーク後に備えるためには、3・11以降の復興を含めて、今後の対応政策が重要であり、社会インフラ変革を含めて低エネルギー社会への転換戦略を推進する必要がある。こうした総合的な政策の展開をどのように進めるべきかを、事例等を含めて展開する


7)総合討論   (40分)

   進行役:山本達也氏

・話題提供者・パネリストへの質疑応答

  ・新しい社会作り 従来と違う発想は?

  ・ベテランと若手のコミュニケーション 石油文明終焉後に生きる次世代の考えは?


おわりに: (16:45-16:50)